姜 兆文

 ベランダのエアコンの室外機にかけていた日よけ用のすだれを撤去しようとしたところ、すだれのよしの隙間に体長約
10センチのオオカマキリを発見した(写真1)。寒くなったので、日当たりの良い、暖かいところを求めてきたであろうカマキリの邪魔をしないように、その時はすだれの撤去をとりやめた。


 一週間後に再び確認すると、カマキリはまだ同じ場所にいた。前脚の鎌の先端部で必死にしがみついていたが、
1週間前に比べると前脚の関節がだらりと伸び、殆ど力が入らなくなっているように見えた(写真2)。

 最期を見守ろうと思ってすだれはそのままにしておいた。

 さらに
2週間後に再び見てみると、カマキリは同じ場所にいたが、前脚の鎌の棘がよしを編んだ紐に引っ掛かっているだけで、体の色は変わり、既に死んでいた(写真3)。
不安定に引っかかっていながら落ちてはいなかったことから、おそらく死んでからそう時間はたっていないだろう。

 変温動物であるカマキリが低温環境で
3週間近くも生き続けた姿を見て、あらためて命の強さを実感した。


 私はその亡骸をコレクションの一つに加えた。

写真1.オオカマキリ
写真1

写真2.力が抜けた姿
写真2

写真3.死んだカマキリ
写真3