姜 兆文

山のアカマツ林内を夢中で糞塊調査していたときのこと。下を向き、歩きながらシカの糞塊を確認していると、誰かが私の頭を一撃した。
「痛い、イタイ!誰だ!?」
落ち着いて周囲を見回すと、まっすぐ横に伸びた腕と、その先には固く握られた“拳”があった。私の頭を殴ったのは木の“拳”だったのだ(写真1)。
20160425_kinokobushi

木と木の間隔が広く、歩きやすい林内を心地よく調査していたため、突然のパンチは余計にインパクトがあり、不思議にも思った(写真2)。私は何か悪いことをして、天罰を受けたのだろうか。かえりみても、天罰を受けるようなことをした覚えはない。納得できないけれども、自然の力を受け止めるしかないと思って、調査を続けた。

20160425_kinokobushi.jpg